ご挨拶
この度、第18回日本がん薬剤学会(JSOPP) 学術大会を北海道札幌の地で開催する運びとなりました。昨年と同日程の2026年7月4日(土) 、現地開催のみを予定しております。多くの先生方に爽やかな初夏の札幌に集っていただき、そして多くの情報を持ち帰っていただきたいと願っております。
さて、2007年に始まったがん対策基本法も、第4期では「誰一人取り残さないがん対策を推進し、全ての国民とがんの克服を目指す」 とその内容を大きく変え、薬剤師もより一層の関りが必要であると感じております。入院治療が主体であった治療は、今や外来治療が主となりつつあり、生活の一部にその治療を取り入れつつ生活することが当たり前の時代になっております。
そこで、今大会テーマのメインキーワードは「共に考え、支える」としました。私たちは、治療に向き合う患者さんとより良い治療について共に考え、その経過をどのように支えていくべきかについて本会で深く考えていきたいと思います。これまでにない機序を有する薬剤の開発・上市も相次いでおり、治療内容は年々複雑化しています。その中で患者さんやご家族は、副作用や経済的・時間的な負担が自分たちの生活にどのような影響をおよぼし、どのような対応が望ましいのかより多くの決断を求められます。そのような選択の場面では、十分な情報を提供し、患者さんやご家族と共に考える医療者の存在が重要となります。また、その意思決定に際し、どのようなサポートが必要なのか具体的に検討し、薬剤師として支援するための知識もしっかり身につけておかなければなりません。以上より、今大会では「共に考え、支える」ために必要な情報を、より実践的な視点で共有したいと考えております。
日本がん薬剤学会は、出来うる限り最良のがん薬物療法を提供することにより、がん患者の生活の質の向上を図ることを目的とし、International Society of Oncology Pharmacy Practitioners (ISOPP) に連携する組織として、最新のがん薬剤学領域の情報を交換する場を提供することにより、がん薬剤学領域における実務家、研究者の資質向上を図ることを目指しております。
つきましては、本大会開催の趣旨をご理解いただき、ぜひご支援ご協力を賜りたく、先ずは書面にて、ここにお願い申し上げる次第でございます。何卒よろしくお願い申し上げます。なお拠出いただきました協賛金につきましては、日本製薬工業協会の「企業活動と医療機関等の関係の透明性ガイドライン」 に基づき、各社が公表することについて同意いたします。
末筆ながら、貴社・貴施設の益々のご発展とご繁栄を心よりお祈り申し上げます。
- 第18回日本がん薬剤学会(JSOPP)学術大会
大会長 高田 慎也
(北海道医療センター 薬剤部) 